うなぎ

1997年公開の今村昌平監督の映画「うなぎ」を見た。カンヌ受賞作品というのを覚えていたので見てみるかなという感じで。受賞したのは数年前と覚えていたけど、すでに15年前だった。

日本の庶民の日常をまったりと描く感じで、日曜日の昼下がりみたいに淡々と見ていられる。途中アーティスティックな表現もでてくるが、基本的には登場人物の心理は追いやすい。

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主人公の役所広司に妻が浮気しているという手紙が届き、夜釣りを早めに切り上げ確認すると、浮気現場を目撃。カッとなって妻を殺してしまう。殺した後に家の近くの警察署に出頭するが、自転車に乗りながら「夜霧よ今夜も有難う」を歌うなど落ち着いている。この後8年間の刑務所行きとなるが、殺人については反省はしていない様子。彼にとって浮気の罪はとても大きいようだ。

刑務所の池で飼っていたうなぎにのみ心を開いて話していたので、出所時にそのうなぎをもらう。服役中に身に着けた技術で床屋を開くが、うなぎにのみ心を開いているので愛想はない。

近所でうなぎのエサ(小エビ)を採っていると、よくある展開だが、前妻によく似た女が服毒自殺で死にかけている。見て見ぬふりをするわけにはいかず助けると、彼女は床屋で働きたいと申し出る。

彼女との生活が始まり、彼は次第に心を開いていく。

という流れ。

彼の精神状態を表す描写として、うなぎの水槽に吸い込まれる描写や(トレイン・スポッティングのトイレみたいな)、水槽の中に浮気密告の手紙が見えたりと、自閉的な上にかなり不安定のようだ。そもそも浮気密告の手紙があったのかなかったのか。それすら曖昧だと自身を疑っている。

そんな彼が、最終的には自殺未遂の女を受け入れる。しかもその女は他の男との子供を身ごもっているが、それも込みで結婚を決意する。不安定な彼が、この大胆な決意を下せるようになるには、相当な体験が必要になるとは思うが、意外とすんなり話が進んだかなという印象。

それにはキーとしてうなぎの生態が絡んでくるんだけど、落ちていた主人公が、どうして前向きになれたのか。そんな所に注目してみると面白いかもしれない。

 

 

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