記憶を揺さぶる昭和の空気感に酔う「鬼畜」

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1978年の松竹作品。主演は緒形拳、岩下志麻、小川真由美。 鬼畜というタイトルは妾との間に生まれた3人の子供が邪魔になって殺そうとする夫婦を指してる。 妾(めかけ)とは愛人や2号といった存在。

日本では一夫多妻は法的に認められていないので愛人は影に隠れる存在となるが、 昭和においては男の甲斐性を示す存在として、愛人と第2の家庭を築く行為は広く行われていたようだ。 ちなみに本作の主人公には甲斐性がないので問題となる。

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ストーリー

映画は妻に妾と3人の隠し子がバレるという、男には恐ろしすぎるシーンから始まる。 このシーンの岩下志麻と小川真由美は、現代の女性とはオーラが異なり、 何というか昭和の母という感じで、怒っている姿は男としては生理的に恐ろしい。

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男にとって最も避けたい状況のひとつ。

 

主人公は何も主張しない流されやすい性格なので、なすがまま話は展開。子供3人を引き取ることに。 当然妻は子供を煙たがり、満足に子育てが出来ないまま一番下の子が栄養失調で死んでしまう。 それをきっかけに残りの2人も捨てることを妻と計画する。

次は真ん中の女の子を東京タワーに連れて行き、望遠鏡を覗かせているうちに置き去りに。

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置き去りにする娘と最後に目が合う時の表情。

 

最後は旅行を装いつつ長男を崖から突き落とす為、福井の東尋坊に向かう。 東尋坊といえば自殺の名所として有名だが、映画で具体的に登場するのは始めて見た。 近年の映画やテレビでは、おそらく配慮されるのだろうか。

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樹海と並ぶ知名度。

 

旅行中、主人公が子供に自身の生い立ちを話す。 主人公も6つの時に親に捨てられ、親類などに邪魔者扱いされながら、たらい回しに育てられた過去が分かる。 彼の非道な行いの理由が明らかになる重要なシーン。

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父の告白。このシーンが最重要か。

 

彼は長男を崖から落とすことが出来るだろうか?

 

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大竹しのぶの輝きは半端なかった。

 

34年前の作品ということで、近年の残酷描写がウリの猟奇的な作品に比べ、ベクトルの異なる鬼畜という感じ。 懐かしい昭和の空気感や、今の役者には出せない深みのある演技が見所。

 

 

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