ファニーゲーム

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救いのない映画として評判のタイトル。1997年のオーストリア映画。wikiには「その凄惨さからヴィム・ヴェンダース監督や批評家、観客がショックのあまり席を立ったと言われる。ロンドンではビデオの発禁運動まで起こった。」とある。

個人的には「ソドムの市」や「ギニーピッグ」「ピンク・フラミンゴ」など、名の通ったカルト映画と比べてどうかというのが鑑賞のポイントでしたが、比べる相手を間違えていたようで、救いのない内容かつ反社会的ではありますが限度内の描写で、「時計じかけのオレンジ」の暴力に近い印象でした。

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一方的な暴力が最後まで続く

ストーリーに深みがある映画ではない。どこか感覚の狂った(礼儀正しいが独裁的な)若者によって、幸せな家族がただ一方的に破滅していく様が最後まで続きます。映画という表現そのものを嘲笑うかのような描写があったり、付箋が回収されても意味をなさなかったりします。

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時計じかけ~のアレックスと子分みたいな関係

健全な精神で本作を見れば「不愉快なだけで意味のない映画」と評価されるでしょう。以前、女性コメンテーターが「トレイン・スポッティング」のヘロインでラリった主人公たちに放置された赤ちゃんが死ぬシーンを見て、最低の映画だとバッサリ切っていた感じに近いでしょうか。監督の狙い通りです。

暴力描写は一切なく前後のシーンで示唆するのみ。しかし映像的な刺激は少ないですが音や演技から痛々しさは十分に伝わります。この点はハリウッドの残酷描写がウリの「ファイナル・デスティネーション」や「ソウ」シリーズとは違って上品な印象。

狂った若者に対する家族の反応はとても常識的なので、その事から監督は極めて常識的な一面も持ち合わせていると思われます。

 

つまり娯楽映画ではない

ストーリーで見せるタイプの映画ではないので108分という長さは限度ギリギリという感じ。疑問を投げかけてくる映画です。見終わった後は脱力感が残りますが、監督は何を伝えたかったのか?という点は興味深い。

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演技が光っていたズザンネ・ロター。もう亡くなっています。

「時計じかけのオレンジ」のように管理社会に潜む危うさを皮肉ったのか、ハリウッドの残酷映画を打ちたかったのか、平和は一国独裁的な軍事バランスの上に成り立っていると唱えたかったのか、よく分かりませんが、考えさせてくれる映画でした。

 

 

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