1993年公開のベルナルド・ベルトルッチ作品。「ラスト・エンペラー」「シェルタリング・スカイ」「リトル・ブッダ」が東洋三部作のひとつ。
ベルトルッチ作品はなんとなく大人向けという印象だったので20代後半まで見なかったが、ラスト・エンペラーを初めて見た時は衝撃だった。そんなわけで本作もずっと見たかったがレンタルになく、この度HDリマスターのおかげかようやく発見。かなり期待して鑑賞開始。
思ったよりもずっと軽いストーリーではありましたが、映像の美しさは想像以上でした。
ストーリー
西洋人向けに、仏教を軸とした東洋文化を分かりやすく解説した映画という感じ。仏教に馴染みのある我々から見るとやや深みが足りない気もする。物語は過去と現在の2つが交互に進行する。
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ラスト・エンペラーに続き魅力的な演技のイン・ルオチェン
現在の物語は、高名な僧の生まれ変わりがアメリカのシアトルに見つかり、その子供をチベットに招待するという話。過去の方は絵本の中のブッダの生涯を追う。ブッダ役はキアヌ・リーブス。
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シアトルのシーンはわざとらしいほど青い色調が入る
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キアヌ扮するシッダールタ王子
公開当時、キアヌの美しさが話題になったようで、確かにキアヌの整った顔と引き締まった体は美しかった。瞑想中に笑みを浮かべるサービスカットもある。セリフも少ないのでキアヌのハマリ役な気もする。
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テレビのCMみたいに美しい
ブッダが菩提樹の下で悟りを開くまでの過程は、手塚治虫のブッダを読んでいたおかげでよく分かった。と言えば聞こえは良いが、流石に説明を省きすぎな印象で、サクッと苦行してサクッと見切りつけてサクッと悟る。しかし映像に関してはラスト・エンペラーよりも技術的な面で向上した感じがする。
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おそらくこのシーンはCGか
途中、数十年かけて作っている砂の曼荼羅が出てくる。諸行無常だから壊れやすい砂で作ってるという説明が入るが、スタッフロールの後、その曼荼羅を壊すカットが入る。これにより少しだけ作品が締まるが、大きな意味はなさそう。
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壊される砂の曼荼羅
どうやら本作のターゲットには、他のベルトルッチ作品とは異なり10才前後の子供も含まれているようだ。それを踏まえて鑑賞するとぐっと印象も変わりそうです。