料理本よりクックパッド。というネット派の私が初めて買ってしまった料理本『ちょっと具合のよくないときのごはん』がとても良かったのでご紹介。
30代になって感じる体の衰え。体調が良い日の方が珍しいというか、疲れが溜まりやすいというか。本書は体にやさしい献立が満載で日常的に使えます。
症状に応じた的確な献立が目白押し
本書の購入理由は「まぁ風邪ひいた時に寝ながら読めばいいか」位に思ってたんですが、中を見ると、どの料理もいかにも体に優しそうで、うまそう。早速今晩作ってみるかって感じになる。
というのも第一章は「風邪をひいた」なんだけど、風邪をひく原因と治す方法。っていう根本からしっかり説明が書いてあって、粘膜を強くするビタミンCを含む食材、体を温める料理で抵抗力を高める、くすりになる食材は・・・、など、とても科学的。著者の岩崎啓子さんは管理栄養士、石川みずえさんは医学博士ということで、ここらへんはクックパッドじゃムリか。となった。
例えば「風邪をひいた」に出てくる『参鶏湯(サンゲタン)風おかゆ』は、しょうが、ねぎ、にんにく、鶏肉を滋味(じみ)深い味にした一品で、いかにも薬膳っぽくて効きそうだし、風邪をひいたら鍋一杯作れば2日はいけそう。
つづく第二章「何だか食欲がわかない」。ここで紹介されてる「鶏肉のレモンしょうゆ焼き」は、なるほどレモンを加えるだけで食えそうだなぁと想像するだけでうまそう。「梅きゅうり巻き」なんかも梅肉ときゅうりの組み合わせいいなと。いま食欲あるからよけい食いたい。
そんなわけで、からだの症状に応じた的確な献立が目白押しで、胃の調子が悪いとか、目が疲れたとか、わりと日常的にあると思うんで、管理栄養士と医学博士のお墨付きという理にかなったレパートリーが増える。
症状に応じたもくじ
- 風邪をひいた
- 何だか食欲がわかない
- 胃腸の調子がすぐれない
- 便秘でお腹が苦しい
- むくみで体がぱんぱん
- 貧血でふらつく
- 疲れたり、だるくて体が重い
- 目が疲れた
- 首、肩がこってつらい
- 眠れない、眠りが浅い
- ストレスがたまって、イライラする
- 季節の変わり目、どこか不調
料理が軸の養生コラムもイイ
料理本と思って購入したので中はレシピがだだっと羅列してあるのかと思ったんですが、全体のボリュームとしては「料理写真・レシピ・コラム」で三等分というかんじ。思ったよりもコラムが充実しており、そこはやはり管理栄養士と医学博士ですから、原因と対策がしっかりしてるんですね。
本書は単純に美味しい!っていう方向性じゃないけど、体に良いものが美味しいそうって感じる年代の方には、からだの知識的な意味合いも兼ねて面白いと思います。
個人的にはコラム「甘いものを食べても、本当の疲れはとれない」は面白くて、私は疲れた時にチョコを食べる習慣があったんですが、瞬間的に疲れが回復したと錯覚してるだけで、疲労回復に大切なビタミンB1も大量に消費してたみたい。
本書の「疲れたり、だるくて体が重い」にはビタミンB1をチャージする食材と献立が載ってるので、そこにあった「豚肉と玉ねぎのチリソース炒め」をチョコの代わりに今度作ろう。とか。今までより一歩理にかなった自炊生活になりそうです。
養生コラム
- インフルエンザも風邪も予防が大切
- 下痢になったら昔ながらの食養生を
- 便秘に効果的なヨーグルトもバランス食で
- 日本の定番の朝ごはんは、発酵食品の宝庫
- 昔の人の知恵に学ぶ、むくみのとり方
- 運動不足を解消するコツは、身近な場所で
- 甘いものを食べても、本当の疲れはとれない
- よい睡眠! 悪い睡眠
- ストレスのない生活は、ストレスになる!?
- 暑い日・寒い日のドリンク