知人とノイズ表現についての話をして、ノイズって表現の終着点ではと感じた。
抽象画家は見たものを正確に描くのではなくて、このように抽象的にしていく。
Thomas Reynolds Gallery – San Francisco
一目みた感じだと、空は青一色に見えるけど、よく見ると濃淡があり雲の感じが出てる。 構成は抽象的になっていくけど、ちゃんと色の濃淡で表現しているのだ。抽象画は心の中のようで、見ていて気持ちいい。
マーク・ロスコ
これを突き詰めていった画家でマーク・ロスコという人がいる。 究極にシンプルなんだけど、色の濃淡によって何を描こうとしているか考えると面白い。
ノイズミュージック
その濃淡をノイズとして捉え、音で表現したのをノイズミュージックという。
一聴すると、ただデタラメに配置された音の集まりなんだけど、 ちゃんと向きあえば、そこには感情や作者が伝えたい何かを読み取る事ができるという訳だ。
Jim O’Rourke – I’m Happy
この曲はI’m Happyという名前からか、なんとなく暖かい感じがする。
DOG STAR MAN
こんな芸術に染まっていくと、ノイズのような繊細で微かな信号からも、 何か意味を感じとってしまうような、敏感な感性が育ってくる。
知人は、そういう感覚で「DOG STAR MAN」を見て欲しいと紹介してくれた。
でも、ここまでくると、 例えば本当にデタラメなノイズ(PCが出力する乱数のような)でも、 鑑賞者が勝手にそこに何かを感じ取って「これはすごい!」なんてなりそう。
いつまでも自分の感性に正直でありたい。