インシュレーターAT6099とAT6098比較

インシュレーター勢揃い

今までスピーカーのインシュレーターには、どっかのホームセンターで買った木片を使ってきましたが、ちゃんとしたのを買ってみることにしました。

アマゾンでチェックしてみると、オーディオテクニカのAT6099とAT6098が値段的にも人気みたい。値段はどちらも同じくらいなので「じゃあどっちがいいのかな?」という比較のために両方買ってみました。

さて、3,000円前後のインシュレーターでスピーカーの音質は向上するでしょうか!?

 

インシュレーターとは?

AT6098とDALI

インシュレーターとは、オーディオ機器やスピーカーの足/スパイクとなるものです。振動を抑えるのが目的です。

特にスピーカーには効果的なので、スピーカーに標準で付属してくる場合もあります。ちなみに上の『DALI SPEKTOR1』にはゴムのインシュレーターが付属で付いてきました。

インシュレーター上から勢揃い

インシュレーターの素材や形には決まりがないので色々なものが存在します。10円玉もインシュレーターになるし、基本的には何でもいいんですが、振動を抑える為にはピラミッド形が良いとか、材質はゴムと真鍮が良いとか、様々な説があります。

私も最初は「そんなに大きく変わんないでしょ」と思ってましたが、スピーカーのインシュレーターは結構ハッキリ効果が分かるオーディオ・アクセサリーの一つです。

 

オーディオテクニカ AT6099とAT6098

AT6098とAT6099パッケージ

今回初めてちゃんとしたインシュレーターということで、オーディオテクニカのAT6099とAT6098を購入しました。2つで合計6,000円弱だったので、今までの10円玉6枚インシュレーターと比較すると、約100倍の投資となります。ジーザス!

AT6098とAT6099表

この2つのインシュレーターは昔から定番として人気がありました。簡単にご紹介すると、写真左のAT6099は6個入りの大きいインシュレーターで4層構造。右のAT6098は8個入りの小さいインシュレーターで3層構造。どちらも特殊防振ゴム「ハネナイト」が使われています。

 

AT6099

AT6099のパッケージ

AT6099のキャッチコピーは「明確な定位、伸びる高域、厚みのある低域を実現」とのこと。6個入りなのでペアのスピーカーに3個づつ使えます。パッケージはズシリと重いです。

AT6099の中身

大きさは直径30mm×高さ17mm。「ハネナイト」「ソルボセイン」という2つのゴムが使われています。長時間使用するとゴムの跡が残ることがあるそうで、その場合は付属のスペーサーを敷いてくれとのこと。スペーサーはただの紙です。

 

AT6098

AT6098の中身

AT6098のキャッチコピーは「明確な定位、抜けの良い低音」。8個入りなので、ペアのスピーカーに4個づつ使えます。大きさは直径20mm×高さ11mm。小ぶりですが、しっかりした重みがあります。AT6099と同じようにスペーサーが付いていました。

 

AT6098とAT6099表

AT6098とAT6099裏

左がAT6099、右がAT6098。表面、スピーカー側のハネナイトの面積はどちらも同じくらいですが、裏面はゴムの素材と面積が異なります。AT6099のデコボコしたゴムが「ソルボセイン」のようです。見た目はAT6099の方が振動吸収力が高そうです。

 

インシュレーターの3点支持と4点支持

音質/振動的には3点支持の方が安定するようです。4点支持だとわずかな隙間で足がカタついて安定しない事があります。一般的なオーディオ機器や椅子やテーブルが4点支持なのは、4点支持は外から力が加わった際などに物理的な安定性が高いからであり、振動という側面では隙間が発生し得ない3点支持の方が優れています。そういえばグランドピアノも3点支持ですね。

 

『PMC TB2SM』で音質比較

PMCの視聴環境

視聴比較を録音したものをYouTubeにアップしてみました。下のプレイヤーで2つの動画をシンクロ再生&音を簡単に切り替えられるので比較しやすいかと思います。緑色の再生ボタンを押した後、スピーカーのアイコンで音を切り替えられます。

 

インシュレーターなしとAT6099

AT6099のアップ

まずは一番変化が分かりやすかった「インシュレーターなし」と「AT6099」の比較。AT6099を使うと、何もインシュレーターを使わない場合に比べて、低音が豊かになり、それでいて全体的に明瞭になりました。録音でも感じられる気がします。

 

インシュレーターなしとAT6098

AT6098のアップ

次にインシュレーターなしとAT6099を比較してみると、AT6099ほどの変化は感じられないようです。10円玉よりちょっといいかな?みたいに感じました。

 

AT6099とAT6098

録音で感じられるか分かりませんが、AT6099はAT6098に比べて変化が分かりやすいようで、「結構いい感じに変わったかも?」という印象を受けました。

 

『DALI SPEKTOR1』で音質比較

DALIの視聴環境

今度はDALIで視聴したところ、正直、DALIはPMCほど変化を感じられませんでした。付属のゴム・インシュレーターのときが何となく一番良い気がしました。PMCの流れからもAT6099が一番良いかな?と予測しましたが、そうでもないようです。

 

付属ゴム・インシュレーターとAT6099

AT6099のアップ

AT6099は実際の視聴時は良くなった気がしたんですが、プラセボなのか録音で聴くと違いがそこまで分からない印象です。

 

インシュレーターなしと付属ゴム・インシュレーター

付属ゴム・インシュレーター

それではインシュレーターなしとゴム・インシュレーターを比べてみると、録音でもゴム・インシュレーターがあったほうが低音が豊かになっているのが分かります。この付属のインシュレーターはとても優秀なのかもしれません。

 

AT6099とAT6098

この2つの比較はPMCでは録音でも結構違いが分かりましたが、DALIでは私の耳には区別がつきませんでした。

 

見た目的なところ

AT6099とPMCとDALI

AT6098とPMCとDALI

足元がキマったせいか、見た目の印象にも高級感がでます。スピーカーもオシャレは足元からということか。

見た目だけで決めるなら、PMCくらいの2WAYサイズにはAT6099、小型ブックシェルフにはAT6098の方がバランスいいかも。

PMC TB2SM幅200mm×高さ400mm×奥行300mm
DALI SPEKTOR1幅140mm×高さ237mm×奥行195mm

 

まとめ

AT6099とDALI

PMCの結果から考えると、インシュレーターとしての性能はAT6099が高そうです。しかしだからといって、AT6099が全てのスピーカーに万能かというとそうではなく、DALIには付属のゴム・インシュレーターが一番あっているように感じました。

結局、スピーカーの大きさや特徴によって最適なのは変わってくるし、インシュレーターは本質的には音質調整するアクセサリーに過ぎません。

ただ個人的には、今までの10円や木片インシュレーターに比べて、特にPMCに効果が高く、音に締まりがでてワンランク上のスピーカーになったみたいで、値段の価値はあったと思いました。

AT6099 商品イメージ

audio-technica ハイブリツドインシュレーター 6個1組 AT6099

AT6098 商品イメージ

audio-technica ハイブリツドインシユレーター AT6098