最近考えてる一番好きな映画のこと。
高校くらいまではネットがなかったので、テレビが貴重な娯楽の一つで、金曜ロードショーや深夜に流れる映画が楽しみだった。映画館にもよく行ってたから、自分はかなり映画好きだなんて思ってた。
当時、知人のコアな奴が『鉄男』を紹介してくれたが、その時は良さが全く分からなかった。ストーリー訳わからんし白黒だし面白くない。ってか本当に面白いと思ってる?みたいな。メジャーな大作だけが自分にとっての映画だったわけだ。キャメロンとかスピルバーグとか。
娯楽以外の映画
20代になって、ネットでまとめに上がってる評判の良い映画をレンタルするようになる。
鑑賞後にネットでレビューを見ると、自分がいかに映画を見れていなかったかに気づいた。それまで酒飲みながら見れた映画が、一本一本真剣勝負だなこれは。と思うようになる。ちなみに、ここらへんからキューブリックが好きになる。
最近は映画評論家の町山&宇多丸さんを情報源に、ハネケ、ペキンパー、アルドリッチ、ゴダールを中心に見てて、映画って自分が生まれるずっと前に完成してたんだな。という事が分かってくる。
古い映画って時代感覚が分からなくて苦手だったが、人間や社会の本質的な疑問を考えてこなかっただけで、よーやく大人向けの映画も視野に入ってきたわけだ。
娯楽と芸術
作品に順番をつけるのは愚問だが、それはまあ置いといて、さてじゃあ自分が一番好きな映画ってなんだろう?と考えてみると、なかなか答えが見つからない。ゴダールは芸術だし、それに比べるとキャメロンは娯楽。って断言するのもまた失礼な話で、キャメロンだって芸術だ。
そもそも芸術とか娯楽とか区別しても答えに届かない気もしてくる。
なぜ芸術と娯楽を分けて考えようとしたのか?それはたぶん、より芸術性の高い作品や、見る側にそれなりに知識を要求する作品を理解できる自分が誇らしくて、一番と言いたくなる気持ちがあるから。
作品の評価に自分のことは乗っけたくない。自分の成長に併せて好きな映画は変化してきたのだ。作品は変わらないけど。
今のことだけ考えればいいのかもね。そこに自分の歴史が入るのかもしんないし。