日常でも頻繁に使う「悟った」って言葉。深く理解した時や何となく洞察した時なんかに使います。語源は恐らく釈迦の悟りなんでしょうが、釈迦は何を悟ったの?悟りってなに?と、いろいろ悟りについて調べ始めると、調べれば調べるほど訳が分からなくなります。
仏教は宗教なんですが、他の宗教みたいに神を信じましょう!じゃなく、哲学なんですね。
釈迦の悟りについて、仏教については、マッドサイエンティストDr.苫米地の説明が凄く分かりやすい。エンジニアとか理系の人には特に腑に落ちる説明で、数学的でアルゴリズミック。
『超天才Dr.苫米地のスピリチュアルのウラ』では、あのスピリチュアリストの江原さんが批判されてるので、見る人によっては不快かもしれないし「江原さんはいい話沢山してくれて役立つのにDr.苫米地は自慢っぽい!」って人格的なとっつきにくさ、あるかもしれないですが、天才なんでしょうね。慣れると笑えます。
超天才Dr.苫米地のスピリチュアルのウラ
- 博士も知らないニッポンのウラ 第36回 「超天才Dr.苫米地のスピリチュアルのウラ」
私はこの番組で水道橋博士と宮崎哲弥のファンになりました。この内容が地上波で流れるならテレビも見るわ。この回は前半でスピリチュアルの爪の甘い点にDr.苫米地と宮崎哲弥がメスを入れます。後半から話題が仏教に。
- 空観
- 全てはものは『空』であるからいわば幻である。幻だから何してもいーじゃん。ずっと瞑想してよー。でもそれ害もないけど生産性なくね?
- 中観
- 中観派の宗祖は龍樹(ナーガールジュナ)。縁起の考えから龍樹がまとめた。空観と仮観の2つのバランスをとっていきましょう。とても論理的な思想。
- 仮観
- 『空』は幻でも仮の姿として役割がある。映画に感情移入するように現実に向きあおう。生まれもった身分や才能は不平等だから縁起を説明できんな。困った。じゃあ魂があることにして輪廻転生で解決!
- アートマン
- 意識の最も深い内側にある個の根源。自己の中心。真我。小我。
- アートマン思想
- 我々の個の根源は未来永劫存在する。霊魂は不滅。輪廻転生。釈迦以前は輪廻転生が信じられてたが、釈迦が否定。
- ブラフマン
- 宇宙の根本原理 = 大我
- ウパニシャッド哲学
- アートマンとブラフマンが一体であるという考え。梵我一如(ぼんがいちにょ)という。釈迦はウパニシャッド哲学を批判→小難しいことどーでもいいから精進しなよ=中観思想。
- 数学的実在
- 数学の点は面積を持たない線分の交わりだから物理世界に存在できないが数学的には実在する。
- 物理世界の最小単位
- プランク定数。量子論を特徴付ける物理定数。
Dr.苫米地の画期的なところ
アルゴリズミックに中観を説明した点。『空』とは、例えば犬とネコを包括するのは動物、鉄と金を包括するのは金属。というように情報密度が一段低くて2つを包括するもの。そのように万物を羅列していくとピラミッド型になり、一番上は有と無を包括する『空』。東洋哲学はこのように『空』を頂点としたピラミッド型で万物を定義するが、西洋哲学は逆ピラミッド型。一番下に有と無がきて頂点を『矛盾』とする。『空』から関数(フィルター)でフィルタリングした結果に自我が残ると考える。
苫米地英人 – 仏教とは – 2010年6月17日
こちらはユーストでDr.苫米地が仏教について2時間近く語ります。ちと長いんですが面白い。内容的にスピリチュアルのウラとダブル部分があるので理解が深まるかも。
- 上座部仏教
- 釈迦が悟った内容は縁起だよ。だから輪廻転生ないと身分の説明つかんね。修行したやつしか救われないよ。十二支縁起。釈迦のオリジナルに近い。
- 大乗仏教
- 釈迦が悟った内容は『空』っすよ。修行してない人も救うよ。日本に伝えられた仏教は大乗仏教。Dr.苫米地「俺は大乗仏教でも上座部仏教でもない!釈迦派だ!」
- 悟りは体感?
- 言葉より抽象度が高い『空』とか『愛』って言葉では説明できない。だから感じるしかないじゃん?悟りも感じるしかないよん。
- 自我が空とは?
- 自我を説明しようとしても、自分の親はこの人とか好きな食べ物とか、他との関係性しかでてこない(他との関係の結びつきこそ縁起)。数学の点は物理世界に存在できないが数学的には実在するように、自我は関係性(線)でしか表現できない実在しない点である。それが『空』。例えば「インドで自分探し!」とかしても関係する線が増えるだけで点(自我)は見つかんない。
- スコトーマ
- 価値があると思っているものしか見えない。子供ができた瞬間に「あれ?今まで見なかったが、街には子供用の設備が溢れていた!」
- 評価関数
- 評価関数とは価値を重要順に並べ替えること。コーチングは評価関数を自由自在に並べ替える訓練。ゴールを明確化して見える世界を増やす=スコトーマを外す。
- ゲーデルの不完全性定理
- 数学理論は絶対に完全にはなりえないことを証明。ってことはつまり完全はないから神はいない。
- ゲシュタルト
- 意味がないと思ってた集まりがある瞬間から認識できる。たとえば老婆と若い女性。一方は認識する瞬間まで見えない。猫ちゃん見えた?
- 釈迦の悟りとは?
- 釈迦は自我がなくなったから全てに同じ価値があると感じる状態に。全てが同じくらい大事。全スコトーマが外れ、自分の親とか砂とかゴキブリとか、どれも当価値の状態に。全ての重要度が一緒になっちゃった。それによって世界が余すことなく見えたからゲシュタルトが起きて本当の世界を認識した体験。
ちなみにDr.苫米地の「気功」洗脳術も面白いですよ。