100万使って分かったオーディオの呪いについて

k701一時期、私は給料の殆どをオーディオに注いでいた時期があった。まだオーオタという言葉が浸透する前。その頃の愛読書は「HiVi」で、毎週ハードオフを回るのが楽しみだった。元々、電化製品が好きだし、高校では電子工学を学んでいたので、ハマる素質は十分にある。

オーディオ製品が持つ一種独特の格好良さ。機能美。高級感。雑誌のレビューにより物欲は刺激され、次第に金銭感覚は狂っていった。高給取りでもないのに1万円のケーブルを5本揃えたりしていた。

今や懐かしきあの日々を振り返り、如何にして呪いが解けたかを書いてみる。

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オーディオの魅力

基本的に今でも電化製品が好き。技術者が丹精込めて作り上げた機械は格好いい。アンプやスピーカーの外観は美しいので眺めているだけで楽しいし、中の技術を考えるのも好きだ。

性能を比較して楽しむのは趣味の醍醐味。車やバイク、ゴルフクラブと同じように所有欲も湧く。より性能の良い製品が欲しくなる。

オーディオが面白いのは、組み合わせやセッティングを変えることで音の変化が楽しめる点。例えば、CDプレイヤーとアンプとスピーカーを別々で買い揃える場合、その値段は全て同じ価格帯にしないと、どれかが足を引っ張って性能を生かせない。

50万円のCDプレイヤーに(嘘みたいな話だが100万のCDプレイヤーもある)、10万円のアンプやスピーカーを繋いでも性能は発揮できない。

せっかく買ったデバイスが100%性能を発揮できないのは悔しいので、買い換えるうちに全体のランクは徐々に上がり、ズブズブと沼に沈んでいく。

 

オーディオの呪い

オーディオの世界はピュアオーディオとオーディオ・ビジュアル(AV)に分けられる。ピュアオーディオは昔ながらのステレオ再生を基本とする。AVは5.1chなどマルチチャンネルに加え映像が入る。

私は映画好きという事もあって迷うことなくAVに傾倒した。当時のマルチチャンネルは5本のスピーカーに1本のスーパーウーファーが標準的だった。その後7.1ch→9.2chなどのように進化しているようだが、今はよく知らない。

今考えるとマルチチャンネルはハリウッドにおける3Dのように、低迷するオーディオ業界のカンフル剤という気もするが、当時は興奮して5本のスピーカーを買い揃えた。

スピーカーは出来るだけ同一性能が好ましい。スピーカーケーブルは合計すれば数十メートルという単位になる。当然アンプも5ch分必要になる。

性能を引き出したい&完璧な視聴環境を作りたいなどの欲求を源に、際限なくお金が飛んでいく。そして映画を楽しむよりも、音のアラ探しの時間が長くなるという本末転倒ぶり。今から思うと、やっぱりちょっと狂っている。

 

ピュアオーディオに目覚める

そんなわけでマルチチャンネル厨だったわけだが、5.1ch分の予算をピュア2chに投資した方が遥かに音が良くなるという、ごく当たり前な事実に気づく。

丁度その時、ソニーから2chで5chを擬似的に再現するバーチャルシアターを搭載したAVアンプが登場したので、全ての機材を一新した。スピーカーもBOSEからPMCに変更した。

このあたりが私のオーディオ歴のピークと言って良い。PMCのTB2SMは2本で20万円。スピーカースタンドだけで8万程した。収入にまったく見合っていない支出。

その頃はたしか200枚くらいCDを持っていたが、悲しいかな音楽の為のオーディオというより、オーディオの為の音楽という感じ。

しかしピークを堺にオーディオ熱は一旦冷める。その後、これらの機器を日本に置いたままニュージーランドに1年間住むことになる。そこで衝撃的な体験をしてオーディオの呪いから解けることになる。

 

最後のデバイス

ホームステイで海外生活を始めた私が遭遇したのは、英語がまったく聞き取れないという致命的な問題だった。何を言っているか聞き取れないというのは、単語が分からないより深刻だ。一応MP3プレイヤーを持って行ったが音楽を楽しむゆとりはなく、とにかく英語漬けの日々を送った。

そんな日々が3ヶ月程続き少しゆとりができた頃、日本でよく聞いていた洋楽をMP3プレイヤーで聞いてみて衝撃が走る。今まではラジオを聞いていたのかと思う程、ベールが何枚も取れてクリアになった様々な音が耳に入ってきた。音の密度に酔ってしまうほどだった。

私はそれまで英語を音楽のように聞き流していたが、英語漬けによって急激に英語耳が出来上がった。そして洋楽には、英語耳でないと聞き取れない音が巧みに使われていた。

この時、私のオーディオに対する価値観は崩壊した。スピーカーから出た音を拾う最後のデバイス、「耳」の性能が最も大切だったのだ。

続きあります。→100万使って分かったオーディオの呪いについて2

 

今の環境

完全にPCに移行しました。

Onkyo SE-200PCI LTDonkyoノイズ的に外付けが良さそうだけど、利便性を考慮して内蔵に。
Denon PMA-2000IVpmaコスパ最優先で決定。
PMC TB2SMtb2モニター系が欲しくて。色々視聴して決めた。
Etymotic Research ER-4Ser4かなり好きな音。初代ゲームボーイのとデザインそっくり。

 

2016/03/07追記

大人気のDAC『Chord Mojo』を購入してしまいました。

『PC100USB』のDAC性能は、アンプやスピーカーの品質に比べて、足を引っ張っている感じがしていたので、長く使えるDACを探していました。Mojoは過去のどんな機器よりも費用対効果が高いと感じています。

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2015/07/27追記

PC環境がWindowsからMacに移行したので、再生環境も若干変化しています。

アンプとスピーカー、ヘッドフォンは上のとおりですが、MacはサウンドカードSE-200PCIが使えなかったので、USB DACの『PC100USB』を使っています。

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再生ソフトはiTunesを使っています。

PC100USBはレビューにもありますが、SE-200PCIと比べると若干無機質な音です。しかしそれは、じっくり聴き比べたら分かる程度で、一聴しただけなら全然良い音です。

この記事で語った内容は、つまり私のような音楽家でもない素人耳の持ち主には、何百万もするオーディオによって生まれる繊細な違いより、耳を鍛えたほうがよっぽど音を聴けるようになるという内容ですが、現在の私には、SE-200PCIとPC100USBの価格差を聴き比べることはできても、本格的に音楽鑑賞する時間が減っているので、PC100USBで満足しています。

 

過去の機器

今見ると古さを感じます。懐かしい。

Input
Pioneer DVL-909909LD再生も可能でした。
Sony DVP-S9000ESs9000-300x225当時のフラッグシップ。
Amp
Yamaha DSP-A2a2初めてのAVアンプ。ここのDACを通すと解像度が低かった覚えが。
Sony TA-E9000ES9000es一度壊れて修理に出したら3万円かかった。
Nakamichi PA-1nakamichi憧れのナカミチのパワーアンプ。今でも人気あるみたいでびっくり。
Aura British Stingrayaura鏡みたいなアンプ。小さくて薄いのにパワフルでびっくりした。
Cable
Ortofon 6.7N AC5067nオルトフォンはレコード針も有名。5ch分を揃えた。
Speaker
Bose 100j100j最初に買ったBoseのスピーカー。Boseしかメーカーを知らなかった。
Bose 121121100jの次に購入。高級感があって好きだった。
Bose 363 WestBorough363上の121にウーハーとツイーターを付け足す構成。
Bose AM-033C Acoustimasam-033バズーカーです。部屋につけていたので大迷惑だった。
Portable
Audio-Technica ATH-AD700700抜けの良さが気に入って購入したオープンエアー。AD300と視聴比較して思ったより違ったのでこちらに。
Etymotic Research ER-6i6iES-4Sが良かったので購入。結構早くケーブルの接続部が壊れた。4Sは丈夫なのに!

 

 

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