真空管ヘッドホンアンプ『TUBE-02J』レビュー

TUBE-02J本体

たまにヘッドホンで音楽を聴くときは、上の写真にも写っているヘッドホンアンプのMojoを使っています。Mojoの音もとても素晴らしいんですが、1年ほど前に導入した真空管プリアンプ『TUBE-01J』を聴いてからというもの、真空管なしの音では物足りなく感じるようになってしまいました。

そこでヘッドホンでも真空管サウンドを楽しむために、NFJの真空管ヘッドホンアンプ『TUBE-02J』を新たに購入しました。価格は6,450円とオーディオ機器としてはリーズナブルです。

Mojoは発売当時7万円位した高級?アンプだし、単体でも十分に綺麗な音です。すでに十分な音質で聴けているにも関わらず、さらに音質向上を求めたくなるのですから、これぞオーディオ沼という感じですね!

 

TUBE-02Jパッケージ

TUBE-02Jパッケージ内容

早速開けていきたいと思います。

パッケージは他のNFJ製品と同じでとてもシンプル。本体と付属の6K4真空管。あとはペライチの説明書のみです。今回は推薦されている6J1軍用選別グレードの真空管も同時購入しました。6J1はペアで1,500円くらいでした。

NFJの公式ブログによると、TUBE-02Jは2019年10月から第2ロットになったようで、大幅な音質改良が行われたようです。私は夏位からTUBE-02Jが欲しかったので、第2ロットになって背中を押された形となりました。

ちなみにNFJの公式ブログは、商品の開発秘話や設計理念が読めるので勉強になるし楽しいのでオススメです。

TUBE-02J説明書

あとNFJ製品はACアダプターが別売りなので注意が必要ですね。

私は既にTUBE-01Jを持っているので、01JのACアダプターが使えるかな?と思いきや、01Jは12V1A、02Jは12V2A以上という事で兼用はできませんでした。ヘッドホン駆動する分、容量食うんだろうなあ。

 

TUBE-02Jの特徴

Tubeシリーズ比較

TUBE-01Jと外観を比較してみます。左が今回買ったTUBE-02Jです。

大きさはほとんど同じ、というか同一ケースですね。前面のPHONE端子で見分けはスグにつきます。ちなみに上の写真ではどちらも6J1真空管が刺さっていますが、02J付属の真空管は6K4という細長いものです。

TUBE-02JのPHONE端子のアップ

金メッキされたPHONE端子がかっこいいですね。FX-AUDIO-のロゴも長体がかかってスマートな印象になりました。

 

真空管について

TUBE-02Jと6K4真空管

TUBE-02J付属の真空管は6K4という細長い真空管なんですが、公式サイトにもあるように、本来の実力を味わうには6J1真空管(特に軍用選別グレード)がお勧めとのこと。

これについて「実際の所どうだろう?」と、6K4と6J1軍用選別グレードを比較視聴してみました。玉転がしというやつですね。

比較してみると思ったよりも違いを感じられて、6K4は6J1に比べて真空管らしい味付けが薄くなる印象を受けました。さらに6K4は発熱も結構するので、ここは素直に6J1を使うのが良さそうです。

6J1と6K4の比較

左からノーマル6J1、6K4、軍用6J1と並んでいます。6K4と軍用6J1の音質の違いはスグに分かりましたが、ノーマル6J1と軍用の音質の違いは私には判断できませんでした。ちなみに見た目は軍用の方が綺麗です。

ノーマル6J1と軍用の違い

先日、初めて違いが分かりました。ヘッドホン+ノーマル6J1で聴いていた時は、小さな音でジーーとか、プ・プー・プみたいなハムノイズが左右チェンネル共に入っていたのですが、軍用に変えたらそれが激減しました。ちなみにスピーカーでは聞き取れないレベルの音量です。音質の聞き分けは難しいのですが、ノイズはすぐに分かりました。

軍用規格真空管の比較

軍用6J1は2つ持っていますが、物によって製造年にバラツキがあるみたいですね。気分的には新しい年代の方が良さそうですが、品質に問題はなさそうです。

 

視聴

TUBE-02J視聴

視聴環境はMac→Mojo→ATH-A2000Zです。Mojoとヘッドホンの間にTUBE-02Jを加える事でどう変わってくるかがポイントです。

 

Mojoだけ

Mojo単独

いつも聴いている音です。Mojoの音はそれだけ聴いていると何の不満もなくて、響きが上品で音の鮮度が高く生き生きと感じます。これで十分じゃん!となる。

Mojo購入時のレビュー

 

Mojo + TUBE-02J

TUBE-02J+Mojo

それにTUBE-02Jを加えると。ボーカルに厚みがでて弦楽器が生っぽくなり、エレキの音なんかがグッと気持ちよくなる。加えて空間の響きもライブっぽくなる。かといって細かい音が潰れる印象も受けない。という感じ。つまり一言でこれが真空管サウンドなんだと思います。

なんというかMojoのデジタル感が薄れて色気(アナログ感?)が出るんですね。比較して聴いてみると、Mojoの音質は解像度が高すぎるのかザラついているのが分かってきます。Mojoだけ聴いてても気付かないんだけどさ!

 

中華アンプ音質一覧

モデル音質
Lepy LP-2024A 商品イメージ

『Lepy LP-2024A+』レビュー

全域フラットだからか中域に厚みが足りず迫力に欠ける感じがする。加えて音の広がりもSA-98Eと比べると狭い。逆に言えば、中域〜高域に意識を集中しやすいかも。
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『ELEGIANT Bluetoothアンプ』レビュー

柔らかくて聴きやすい音。迫力という意味では他のデジタルアンプに負けるかもしれないが、とても自然な音に感じる。音場も広く包まれる感じがある。長時間聴くならこの音を聴いていたい。バランスのとれた音。
TUBE-01J 商品イメージ

『NFJ TUBE-01J』レビュー

真空管プリアンプなので、他のアンプと組み合わせて使う。音はかなり変化して、音にツヤが出て響きが美しくなる。『感情に訴える成分』が増すような感じ。オーディオの奥深さが垣間見える。

TUBE-02J 商品イメージ

『NFJ TUBE-02J』レビュー

真空管ヘッドホンアンプ。TUBE-01Jのヘッドホン対応版とも言える。TUBE-01Jで真空管に目覚めたので02Jも購入しました。音の傾向はTUBE-01Jと同じ。プリアンプとして使っています。

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『NFJ FX202A/FX-36A PRO』レビュー

基本的にLP-2024A+と似た音だが、プラスして音に厚みと密度が加わり、アナログっぽさが増して聴きやすい。SA-98Eほどの力強さはないので、SA-98Eの弟分といった感じ。NFJの真空管プリアンプと合わせたい。

SMSL SA-98E 商品イメージ

『SMSL SA-98E』レビュー

この中では一番高価なだけあって音質もよい。音に密度と厚みがある。低域もよく出るので場の量感も感じる。これなら数万のアナログアンプと互角の音質と言ってもよさそう。トーンコントロールほか余計な機能は一切ないが、アンプ自体の質感は高い。
Lepy LP-V3S 商品イメージ

『Lepy LP-V3S』レビュー

LP-V3Sだけアナログアンプ。中域を全面に押し出してくるので、空間表現や細かい音を楽しむというより、ボーカルのようなメイン所をしっかり聴くのに最適な味付けという感じ。

 

まとめ

TUBE-02Jと6J1真空管

というわけで我が家のオーディオシステムは、今までTUBE-01Jがプリアンプとして鎮座していた場所に、TUBE-02Jが入れ替わる形となりました。

ヘッドホンアンプのTUBE-02Jではありますが、プリアンプとしても使えますし、TUBE-01Jと比較しても特に音質の違いは感じません。

最初からTUBE-02Jを買っておけば良かったかな。

 

TUBE-02J 商品イメージ

FX-AUDIO- TUBE-02J 第2ロット 本格真空管ヘッドホンアンプ (ブラック)