1,500円のアナログ中華アンプ『Lepy LP-V3S』レビュー

Lepy LP-V3S

中華アンプメーカーLepy(リーパイ)の格安アンプ『LP-V3S』のレビューです。特徴はなんといっても1,500円という低価格と、あとは謳い文句によると『BOSE社パワーIC使用』とのこと。

Lepyの代表モデルはデジタルアンプの『LP-2024A+』ですが、『LP-V3S』はアナログアンプ。1,500円のアンプ、いったいどんな音がするのでしょうか?

 

パッケージ

LP-V3Sパッケージ

Lepyのパッケージはダンボールの質感を上手に活かしたデザイン。

ただ箱の裏には『LP-2020A』の文字が。2つのモデルで箱を兼用しているようです。「間違ってLP-2020Aが送られてきた!」ってなったよね。

本体はちゃんとミラーマット(白いクッション材みたいなやつ)で包装されてるし、英語の説明書も入ってました。この値段でトーンコントロールまであるのは凄い。

LP-V3S説明書

 

安いわけ

このモデルはACアダプターが付属していないので安くなっています。なのでACアダプターは別に用意しなければいけません。新品で購入した場合、アマゾンでだいたい1,000円弱のようです。

アマゾンの商品説明によると、電源はDC12-14.4V3-5Aの範囲で動作するとのこと。『LP-2024A+』のACアダプターは12V5Aなので『LP-V3S』にもそのまま使えます。下の写真は『LP-2024A+』についてきたACアダプターです。

LP-V3SのACアダプター

私は『LP-2024A+』との比較用で購入したので、ACアダプターがついてない方が都合が良かったし、Lepyのアンプは車用に使う方も多いようなので、ACアダプターを付属しない方が需要があるのでしょう。

 

外観

LP-V3Sフロント

値段の割にといったら失礼ですが、そんなに安っぽさを感じないクオリティです。机に置いてあったらテンションを上げてくれる位にはカッコイイと思います。

欲を言えば「LEDが明るすぎるかな」とか「ツマミの質感が」とか言えなくもないですが、値段を考えると黙らざるをえない。

LP-V3S上面

マニュアルによるとケースはアルマイト(陽極酸化アルミニウム)で、ノイズ等の干渉に強いそうです。車はノイズの宝庫なので、厚みのある金属ケースはかなり有効かと思われます。

ちなみに『LP-2024A+』も、まったく同じケースでした。下が『LP-V3S』です。

LP-2024A+とLP-V3Sの正面比較

 

視聴

LP-V3SとSPEKTOR1

視聴環境

Source

  • iPod touch 6th
  • Audirvana Plus + Chord Mojo

SP

  • DALI SPEKTOR1
  • PMC TB2SM

写真はiPod+DALIですが、Mojo+PMCでも視聴しました。出力は25+25=50Wで、DALIもPMCも余裕で鳴らしてくれます。SPEKTOR1のインシュレーターは付属のものです。

懐かしい音です。昔使ってた、90年代のCDラジカセやコンポ、カーステレオがこんな感じだった記憶。中域がグイと前にでてきて、人の声、ボーカルを聴くのに申し分ない。そのかわり低域・高域の描画はアバウトだし伸びもないけど、とにかく声は聞き取りやすい。俗に言うかまぼこ型。

このアンプで聴いてから他のデジタルアンプやデノン(PMA-2000IV)に切り替えると、グッとボーカルが引っ込んで線も細くなる。それは一瞬寂しく感じるんだけど、そこにはボーカル以外のステージ/音場があって、それが雰囲気に繋がる。みたいな感じ。

つまり、他のアンプと比べると解像度も甘くて音も平面的なんだけど、それはそれでシャリシャリしてないから聴き疲れしないし、音楽を聴くではなくBGMで流す時とか、こんな音が欲しい時もある。他のアンプと比較しなければ十分アリなレベル。

ちなみにトーンコントロールも立派に機能してくれます。このアンプはおもちゃではないです。

 

中華アンプ音質一覧

モデル音質
Lepy LP-2024A 商品イメージ

『Lepy LP-2024A+』レビュー

全域フラットだからか中域に厚みが足りず迫力に欠ける感じがする。加えて音の広がりもSA-98Eと比べると狭い。逆に言えば、中域〜高域に意識を集中しやすいかも。
ELEGIANT Bluetoothアンプ 商品イメージ

『ELEGIANT Bluetoothアンプ』レビュー

柔らかくて聴きやすい音。迫力という意味では他のデジタルアンプに負けるかもしれないが、とても自然な音に感じる。音場も広く包まれる感じがある。長時間聴くならこの音を聴いていたい。バランスのとれた音。
TUBE-01J 商品イメージ

『NFJ TUBE-01J』レビュー

真空管プリアンプなので、他のアンプと組み合わせて使う。音はかなり変化して、音にツヤが出て響きが美しくなる。『感情に訴える成分』が増すような感じ。オーディオの奥深さが垣間見える。

TUBE-02J 商品イメージ

『NFJ TUBE-02J』レビュー

真空管ヘッドホンアンプ。TUBE-01Jのヘッドホン対応版とも言える。TUBE-01Jで真空管に目覚めたので02Jも購入しました。音の傾向はTUBE-01Jと同じ。プリアンプとして使っています。

FX202A 商品イメージ

『NFJ FX202A/FX-36A PRO』レビュー

基本的にLP-2024A+と似た音だが、プラスして音に厚みと密度が加わり、アナログっぽさが増して聴きやすい。SA-98Eほどの力強さはないので、SA-98Eの弟分といった感じ。NFJの真空管プリアンプと合わせたい。

SMSL SA-98E 商品イメージ

『SMSL SA-98E』レビュー

この中では一番高価なだけあって音質もよい。音に密度と厚みがある。低域もよく出るので場の量感も感じる。これなら数万のアナログアンプと互角の音質と言ってもよさそう。トーンコントロールほか余計な機能は一切ないが、アンプ自体の質感は高い。
Lepy LP-V3S 商品イメージ

『Lepy LP-V3S』レビュー

LP-V3Sだけアナログアンプ。中域を全面に押し出してくるので、空間表現や細かい音を楽しむというより、ボーカルのようなメイン所をしっかり聴くのに最適な味付けという感じ。

 

ほかの楽しみ

LP-V3Sの中身

開けるにはT6トルクスドライバーが必要でした。シンプルな基板です。

使用されているICは『STMicroelectronics TDA7377』だったので、BOSEのICではないようです。でも音の傾向はとてもBOSE的。BOSE製品に同じICが使われているのかな。

コンデンサやオペアンプを交換することで、さらに高音質に改造する情報がネットには沢山あるので、購入後も長く楽しめそうです。

Lepy LP-V3S 商品イメージ

Lepy ステレオアンプ LP-V3S 【BOSE社パワーIC使用】V3S シルバー