2015年11月に発売されたChord Mojo。当時はかなり話題になり、一躍人気のポタアンになりました。私は2016年3月に新品購入して、据え置きDACとして使ってきましたが、僅か3ヶ月で充電できなくなりメーカー交換。しかしそれ以降は大きな問題もなく24時間通電&給電運用してきました。最近になってバッテリーの劣化で電源が落ちるようになったので、2019年9月にバッテリーを交換しました。
ポタアンなのに据え置きDACとして元気に頑張ってくれているお気に入りのMojoなんですが、本体から「チー」という高周波のノイズが、気になる程度の音量で聞こえるようになってきました。更に、たまにですが、いきなり音楽が消えて音量マックスでピンクノイズが鳴るという、心臓破りの、悲惨な問題が発生するようになりました。
というわけでこの記事では、それらの問題に対処していきたいと思います。
本体のコイル鳴き問題
半年くらい前から「チー」というノイズが本体から聞こえるようになりました。しかも徐々にその音が大きくなっている気がします。どうもコイル鳴きのような高周波の音で、鳴る時と鳴らない時があり、バッテリーフル状態から更に充電しようとすると発生するようです。
USB給電ケーブルは常に挿しっぱなしなので、常に給電状態なわけですが、音楽が鳴っている間は鳴きが消えます。つまり電力を消費してバッテリー給電が行われている間は、この問題は発生しないようです。
“chord mojo coil whine”なんかでぐぐると、海外のオーディオBBSでMojo設計者のRob Wattsがコイル鳴きについて発言していました。余談ですが、Rob Wattsは結構BBSに降臨してくれるお茶目な人です。
The noise is due to ripple voltage on the charger upsetting the inductors/capacitors within Mojo. If you use a clean quality PSU and a low resistance USB cable to the charger PSU the mechanical noise should be silent or insignificant. The problem is a noisy USB VBUS power line, and this makes the inductors in Mojo vibrate. Also, some USB cables have high resistance, and this makes the problem worse – so using a different cable can make the mechanical noise go away. The PSU itself can make it better or worse. Don’t worry about it if you hear the noise, Mojo is not faulty and will continue to be reliable.
Rob Watts
翻訳すると『ノイズは、Mojo内のインダクタ/コンデンサを振動させる充電器のリップル電圧によるものです。クリーンな品質のPSU(Power Supply Unit=電源ユニット)と充電器のPSUに低抵抗のUSBケーブルを使用している場合、機械的なノイズは静音または取るに足らないものです。問題はノイズの多いUSB VBUS電源ラインであり、これがMojo内のインダクタを振動させます。また、いくつかのUSBケーブルは抵抗が高く、これは問題を悪化させるので、別のケーブルを使用すると、機械的なノイズがなくなるようにすることができます。PSUによって良くなったり悪くなったりします。ノイズが出ても気にしないでください、Mojoは故障ではありませんし、これからも信頼性の高い製品であり続けます。』とのこと。
更に、BBSでは「アップル純正のUSB充電器と、Mojo付属USBケーブルの組み合わせ」で良好な結果を得たとあります。早速同じ条件で試してみます。
これがiPhone Xsについてきた5V1AのAPPLE純正USB充電器と、Mojoについてきた純正ケーブルの組み合わせ。試してみるものの・・・ややノイズが小さくなったかな?、けど残念ながら大きな変化はありませんでした。
中を見てみる
自己責任ですが、蓋を開けて部品をチェックしてみます。振動はかなり激しいので基盤全体から音がしますが、綿棒で発信源を探してみると、どうも赤枠の部品が鳴っているみたい。軽く指で押してみると鳴きの周波数が低くなるもののノイズ自体はそれほど減少しません。この激しさ。ホットボンドとかで振動を抑えるのは難しそうです。
バッテリーコネクタを外して運用してみる
バッテリーのコネクタを外しても、USB給電で動作すると読んだ事があったのでトライしてみましたが、確かに動作はするものの、Mojoは常にバッテリーフル状態と認識するようで、常に鳴きが発生してしまい問題解決には至りませんでした。
DC7.5Vを直接バッテリーに給電
部品まで特定したものの、どうやらこのコイル鳴きは、バッテリーの有無に関わらず給電時に発生するようなので、バッテリー運用は諦め、バッテリーレス化することにします。
六本木オーディオさんの記事のおかげで、バッテリーレス運用が可能な事は分かっていたので、ACアダプターから直接DC7.5Vをバッテリー端子に入力するケーブルを作成しました。
ACアダプターは7.5V出力できる物をAmazonで購入。
白いコネクターは丁度ドローンのバッテリーコネクタと同じサイズだったので流用しました。余談ですがこのドローン、アマゾンで安かったので買ってみたんですが、室内で思い通りに動くその性能と操作性の良さにびっくりしました。ラジコンヘリに憧れたもんですが、凄い時代です。
以上でコイル鳴き問題は解決。無音動作&おまけに発熱もかなり減少しました。当たり前ですが、常にバッテリー運用と何ら変わらない使用感です。
爆音ピンクノイズ問題
この問題に関してはネットで調べても遭遇している方が殆どいないのでレアな故障なのかもしれませんが、かなり深刻です。音楽を聴いていると、たまに超爆音(おそらくマックスボリューム)のピンク(ホワイト?)ノイズになります。ビックリを通り越して鼓膜が心配になるレベルで、軽いトラウマになります。
原因を探ってみると、どうやら5V1A以上、例えば5V2AなどのUSB電源を使用すると発生する可能性が高いみたいでした。とはいっても5V1Aでもなる時はなります。頻度は安定すると何ヶ月も発生しないのですが、その安定状態が崩れると1日に1回なったりする。爆弾を抱えているようなものです。
原因はハッキリしないのですが、取りえあずUSB入力からOpticalに変更したところ発生しなくなりました(Coaxialは試してません)。あとバッテリー駆動中も発生しないみたい。なのでUSB入力が原因というよりは、実は上のコイル鳴き問題、バッテリー給電関係が原因の可能性も高いのですが、二重の対策という意味も込めて、今後はOptical運用していく事にしました。
Optical運用の問題点
Optical運用を初めてから気付いたのですが、10分ほど無信号だと電源が落ちます。バッテリー節約の為のオートパワーオフかと思いますが、この仕様は据え置きでは困るので、10分に1回、Macからほぼ無音を出力する事でオートパワーオフをキャンセルします。
定期的にafplayコマンドを実行する為にCronを利用します。Cronを登録するためのcrontabコマンドはターミナルで実行します。
crontab -e | cron設定を編集・登録 |
---|---|
crontab -l | cron設定リストを表示 |
crontab -r | cron設定を削除 |
crontabの記述例
*/10 * * * * afplay -v 0.001 /System/Library/Components/CoreAudio.component/Contents/SharedSupport/SystemSounds/system/begin_record.caf
10分おきにafplayコマンドで、システム音の一つbegin_record.cafを鳴らします。その際、ボリュームは0.001なので、私には気づかないレベルの音量です。
以上で爆音ピンクノイズ問題の解決と、Optical運用のオートパワーオフをキャンセルする事が出来ました。
まとめ
ここまでしてMojoを据え置きDACとして使うのは、やっぱりMojoの音には魅力があるからなんですね。Mojoはコスパ最強すぎます。ChordにはHugoというほぼ据え置き前提のポタアンがあるので、Chord的にはMojoをポタアン専用という立場に置いておきたいだろうし、本音では私もHugoが欲しいんですが、Mojoが使えるうちは・・・と思ってしまいます。
ちなみにOpticalの音質はUSBに比べて明るくクリアに感じます。USBはしっとり重厚かな。入力端子によって音が変わるのがオーディオの面白いところでもあります。Opticalだと弦楽器も水々しく弾けるようなフレッシュ感があって、明るい気分になれます。
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