パスタは簡単で美味しいので自炊派には欠かせません。
私はずっとスーパーで売ってるポポロスパ7分とママーのレトルトとか簡単なのを作ってる感じで、それで美味しいから満足してはいたんですが、近くのヤマナカにはいろんなパスタが売っており、海外の青いやつ(こんなの)とか気になってて、しかも結構安いし、いつか試してみないと、と思ってました。
せっかくやるんだったら普段はあんまり気にしてないパスタの知識も深めつつ食べ比べした方が面白そう。というわけでパスタ開拓とコスパ改善を目的に実験してみました。良いパスタが見つかったらネットでまとめ買いしようと。
食べ比べその前に ~テフロンダイスとブロンズダイス~
パスタを作る際にはダイスと呼ばれる型を使い、パスタの生地がダイスを通り抜けることで、普段よく見る細いパスタができるみたいです。ダイスにはテフロン製とブロンズ製の2種類があって、どっちを使うかでパスタの表面の仕上がりが違ってきます。それぞれの特徴をピックアップ。
【左】 テフロンダイス仕上げの特徴
表面がつるつるしてるのが最大の特徴で、凹凸がなく、色んなソースにほどよく絡んであっさり系・こってり系ソースともに合うオールラウンダー。 パスタの本場イタリアで3人に1人が選ぶと言われてるバリラのパスタがテフロンダイス仕上げの代表格です。 ちなみに日本はテフロンダイス仕上げのパスタが主流。マ・マーやポポロスパもそうらしいです。
【右】 ブロンズダイス仕上げの特徴
表面がザラザラしており、ソースを絡ませたい場合に向いてます。テフロンダイス仕上げのパスタでは絡めきれなかったソースをしっかりキャッチしてくれます。細かい具材の入ったソースや、クリーム系・トマト系の濃厚ソースで食べるときにしっかりと力を発揮。 イタリアのディ・チェコが有名。
実験開始
ゆで時間は袋の裏に書いてある時間を守ります。
パスタは基本一人前100gみたいですが、一度に食べるには多すぎなので50gでテスト。味付けは、塩で下味をつけて、オリーブオイルとブラックペッパーを絡めるだけのシンプルスタイル。ソースをつけない状態でもチェックしました。
今まで食べてきたポポロスパ7分が比較の基準となります。
試食したパスタ一覧(記事執筆時点の価格だよ)
マ・マー
パスタが日本に初めて登場したのは江戸時代末期頃。明治時代になると一部の愛好家の間で輸入パスタが食べられていたみたいですが、まだまだ一般に食べられているとは言えませんでした。
マ・マーマカロニが1955年にマカロニを発売してサンプルを配っても、見慣れしてなくて生のまま食べて怒り出す人も結構いたみたいです。この1955年はパスタの大量生産が開始された年なので、『パスタ元年』とも呼ばれています。
今でこそ日本のパスタの原材料にはデュラム小麦のセモリナだけど、当初は入手するのが難しく、パン用の強力小麦粉を改良して作られました。デュラムセモリナ100%のパスタが初めて発売されたのは1961年で、日本製ではなく輸入されたものでした。日清製粉の工場でデュラム小麦をセモリナに挽くことができるようになったのはその4年後の1965年。家庭に浸透し始めたのはやっとこの辺りから。結構最近なんですね。
価格 | 100g当たり | |
Amazon | 321円 | 53.5円 |
楽天市場 | 302円 | 50.3円 |
ディ・チェコ
今から100年以上昔にマイエッラという村で、ニコラ・ディ・チェコさんが石臼を使って「この地方で最高の小麦粉を!」と作っていたのが起源だそうで、その知識を彼の息子が受け継ぎ、ディ・チェコのパスタ製造の道が始まりました。そして天候に左右されることなくパスタを乾燥できる乾燥機を初めて開発し特許を取得。戸外で天日干しで乾燥させるのが普通だった時代に、この開発がもとでディ・チェコの世界進出の扉が開けたようです。
ディ・チェコのパスタは小麦本来の味わいを大切にし、最高の食感「アルデンテ」を楽しめるように一般的なテフロンダイスよりも時間も手間もかかるブロンズ型ダイスを使って作られています。原材料もこだわっていて、最高のデュラム小麦と、天然水を使用し小麦のうまみを引き出す出来になっています。
価格 | 100g当たり | |
Amazon | 500円 | 100円 |
楽天市場 | 258円 | 51.6円 |
ポポロスパ
ポポロスパは1931年に東京で創業された『はごろもフーズ』から発売されているパスタ製品の一つです。ポポロスパの登場は1990年で、マ・マーに比べても比較的若いですが、はごろもフーズの中でも人気の高い製品でスーパーでもよく目に入ります。
価格 | 100g当たり | |
Amazon | 320円 | 45.7円 |
楽天市場 | 320円 | 45.7円 |
セルバ
セルバ食品は1988年に小麦粉の生産から始まった食品メーカー。セルバのセモリナ工場では1日に350トンのデュラム小麦デュラム小麦が製粉されており、トルコで最も近代的とされるセルバのパスタ工場では1日210トンものパスタが生産されています。
価格 | 100g当たり | |
Amazon | 298円 | 29.8円 |
楽天市場 | 316円 | 31.6円 |
ブイトーニ
イタリアのトスカーナ地方で創業したブイトーニ。食べ比べして初めて知りましたが2世紀近い歴史のある結構有名なブランドみたい。ジュリア・ブイトーニという若い女性が創業。土地を抵当に入れ唯一の財産であった真珠の首飾りを質に入れてパスタの製造器を購入し、パスタの製造を始めたそうです。すごい勇気だ。その後彼女の二人の息子がブイトーニを世界的な企業へと成長させていきました。
1967年にイタリアで「パスタの原料にする小麦は、デュラム・セモリナ100%でなければならない」という法律が制定されるその140年も前、創業当時からブイトーニはデュラム・セモリナ100%にこだわりがあったようです。
ブイトーニのテフロンダイス使用のパスタは高音短時間乾燥で作られており、コシが強いのが特徴で、蝶々夫人やトスカなどのオペラで有名な作曲家のプッチーニが愛したパスタとしても知られてます。
価格 | 100g当たり | |
Amazon | 1,713円 | 34.3円 |
楽天市場 | 2,201円 | 44.2円 |
ソル・レオーネ
「ソル・レオーネ」はイタリア語で、古来から健康と豊かさの象徴として親しまれてきた「太陽の獅子」を意味しています。乾燥パスタの始まりは「ナポリを見て死ね」と言うほどの絶景で有名なナポリと、パスタ発祥の地グラニャーノを有するイタリア南部のカンパーニャから始まりました。
地中海の強い日差しとティレニア海からの風がパスタを乾燥するための理想的な条件で、カンパーニャは乾燥パスタの一大生産地として発展。世界中に広まっている乾燥パスタの歴史はカンパーニャから始まりました。
価格 | 100g当たり | |
Amazon | 1,399円 | 28.0円 |
楽天市場 | 2,088円 | 41.8円 |
レガーロ
「レガーロ」はイタリア語で贈り物を意味しており、ひとくちで違いに気づく、より魅力的な食卓を演出するというコンセプトのもと作られたパスタ。原料や製法にこだわってスパゲッティを国内製造しています。デュラム小麦本来の風味や弾力のある上質な食感を味わえるのがポイント。
価格 | 100g当たり | |
Amazon | 780円 | 195円 |
楽天市場 | 380円 | 95円 |
モンスーロ
モンスーロは乾燥パスタ発祥の地、グラニャーノ発のブランド。ディ・チェコと同じくブロンズダイス仕上げのパスタで、ソースの絡みが良い。1845年にグラニャーノを訪れたナポリの国王と王女が、グラニャーノのパスタの味わいをとても気にいったんだとか。
価格 | 100g当たり | |
Amazon | 1,210円 | 60.5円 |
楽天市場 | 952円 | 47.6円 |
バリラ
バリラは1877年にイタリアのパルマでピエトロ・バリラによって創業されたイタリア最大級の食品会社です。そこから4世代にわたって今も家族経営が続いています。バリラは本場イタリアでは3人に1人が選ぶという最もポピュラーなパスタ。一般家庭や世界中の多くのレストランでも使われてます。
価格 | 100g当たり | |
Amazon | 1,930円 | 38.6円 |
楽天市場 | 1,780円 | 35.6円 |
最安って結構頻繁に変わるので大体の目安にしてください。日本のパスタは結束が結構便利で、その分割高なのは仕方ないかも。
アマゾン、楽天の価格を比較し、安い方をピックアップしてコスパがいい順にまとめたのが下の表になります。
順位 | 品名 | 100g当たり |
---|---|---|
1 | ソル・レオーネ | 28.0円 |
2 | セルバ | 29.8円 |
3 | ブイトーニ | 34.3円 |
4 | バリラ | 38.6円 |
5 | ポポロスパ | 45.7円 |
6 | モンスーロ | 47.6円 |
7 | マ・マー | 50.3円 |
8 | ディ・チェコ | 51.6円 |
9 | レガーロ | 95円 |
食べた感想
すごくお腹減ってる状態でスタートしたんですが、それでも最後の方は不利になるかもということで、最後はいつも食べてるポポロスパにしました。でも最後でも安定して美味しかったので味覚はそれほど変化してないかも。
マ・マー
ツルツル、シコシコ、太さ弾力も丁度いい。これぞパスタという感じです。冷たくなっても弾力、おいしさを維持してるのがすごい。食べごたえがありました。弾力性やシコシコ具合が特徴とのことですがこれは頷けます。
ディ・チェコ
ブロンズダイスなのに普通にツルツルしてました。ゆでる前はブロンズダイス仕上げのザラザラ感が見てとれたけど、ゆでた後は色がテフロンダイス使用パスタより多少白いかなというくらいでザラザラ感はもはや感じれなかった。
ママーに比べてやや柔らかく弾力がすくないような。太さは丁度よかったです。味が薄いかな・・・。するってお腹に入る感じ。コシが少なめでとにかく硬さを維持するのが難しく感じました。ディ・チェコはパスタ製法にもアルデンテの硬さにもこだわりがあるみたいでかなり追求されたパスタではあるんだろうけど、私はもう少し硬さがあった方が好きかもしれない。
そんな感じで最初シンプルに食べた時はディ・チェコの良さがあまり感じられなかったんですが後日ディ・チェコを使ってカルボナーラとナポリタンを作ったらすごく美味しかったです。まずソースとの絡み具合が良かった。それからソースに対してパスタ自体の主張の加減が絶妙なんです。ディ・チェコの良さはシンプルな味付けよりもしっかりとしたソースと絡めて食べた方が分かりやすいかもしれません。
ポポロスパ
知らずに食べてたけどポポロスパはコシが強く締まったパスタだったみたい。安定のポポロスパでおいしいです。よくみたらプリシコ食感って袋に書いてあった。ママーによく似てるけどママーより弾力がない気がします。ママーのほうがシコシコはやや強いかな?
セルバ
海外製のものはイタリア産が多い中、セルバはトルコのパスタでした。太くて固くて食べごたえがあります。コシはないかなと。他のものに比べてかなり味が濃いと思います。麺そのものがしょっぱい?そんな感じ。ちょっとパサパサしてて安い海外のレストランででてきそう。切れ切れのパスタを食べてるような。麺が曲がってたりしました。
ブイトーニ
芯が残ってるかんじがするくらいコシが強い?やや固め。メンに味がつかない?もちもちもしてない。確かに硬めが好きだけどこれはもうちょっと柔らかいほうがいい・・・。さっぱり。スープのパスタに向いてきがする。
ソル・レオーネ
コシが強い。ちょっと太くて固いママーみたいな感じでした。太めだから食べごたえがあって。オリーブオイルの味がしっかり感じられます。ちゃんとソースが絡みやすいのかな?おいしいです。バリラよりもオリーブオイルがよく絡むような気がして満足感がある。
レガーロ
細いけどちゃんとコシがある。ママーとディチェコの間くらいの感じ。ママーが硬すぎる人はレガーロの硬さが丁度いいかも。
モンスーロ
太い。食べごたえがある。塩味が強い。モンスローロよりソル・レオーネのほうがよくソースが絡む気がする。シコシコといよりもちもち。ソル・レオーネより太い。
バリラ
ポポロスパより太い。でもコシもあって美味しくてお店みたい。ソルレオーネよりもオリーブオイルの絡み方が控えめ。太さとコシのバランスがちょうど良き。お腹減ってるときによさげ。これは3人に1人がバリラを選ぶのも納得の満足感。
味とは関係ないんですけど、やっぱり国産のパスタって製品の品質が高い。結束やチャック付きってのもそうなんだけど、海外のは結構割れてた。輸入で運送工程が長いとか関係あるかもしんないけど。
それで結論は?
感想みれば想像がつくかもしれませんが、一番私にあったのは味良しコスパ良しのソル・レオーネとバリラかなと思います。バリラはイタリアでシェア1位だけありますね。ソルレオーネとディ・チェコは今まであんまり食べたことなかったけどかなり美味しかった。
というわけで、しばらくはソル・レオーネとバリラをメインに半々くらいの割合でまとめ買いしようかな。この二つに比べてちょっとお高めですがディ・チェコもたまに食べたいので少しストックできればなと。ご参考に~。