このイヤホン凄いです。「ヘッドホンと同じ音だ!」と思いました。この小さなイヤホンから、それくらい繊細で迫力ある音がします。値段は新品で1万円強。オーディオマニアじゃない限り、これ以上の音質は必要ないんじゃないかな。
価格.comのイヤホン・ヘッドホンランキングを見ると、最近はワイヤレスイヤホンの独壇場になっています。でも音質的には有線の方がコスパが高いし、充電やバッテリーの寿命を気にしなくても良いので、私はまだ有線派です。
そして、価格.comランキングに最初に登場する有線タイプのイヤホンが、今回レビューするゼンハイザーの『IE 40 PRO』。ちなみに今日チェックしたら順位は13位でした。前はトップ10入りしてたんですけどね。
パッケージ
パッケージには『In-ear monitoring』とあります。このイヤホンは家庭向けというよりは、ステージ用のモニターイヤホンとして設計されているようです。
実際に使ってみて感じるのは、確かにIE 40 PROは業務用を思わせる所があり、大音量でも歪まない再生能力、遮音性の高さ、堅牢な質感などは、高級品というよりは現場的な雰囲気を感じます。
使い方はペラ一枚のクイックガイドで分かります。イラストで簡単に把握できます。
Optimum cable routing(最適な配線)を見ても、コンサートのスタッフみたいな用途が想定されているのが分かります。
外観
本体色はクリアとブラックが用意されており、私はクリアを購入しました。材質はプラスチックで、デザイン的に洒落っ気はあまりないですが、特に安さ際立つという事もありません。ちょっと踏んだくらいでは壊れない位の強度はありそうです。やってないけど。
ケーブルを外した状態。中にダイナミック型ドライバーが見えます。メーカーによると、このドライバーは「10mm径の高精度ダイナミック型ドライバー。パワフルで締まりのある低域、クリアで自然な中高域を再生。バスドラムの正確なビートから、ボーカルの表情、ハイハットシンバルの細かなタッチまで正確に再現。」と説明されていますが、その説明に偽りはありませんでした。「この大きさで、こんなに豊かな音が再生できるのか」という位、いい音がします。
ケーブルは着脱式で交換もできますが、ケーブルの共通規格であるMMCXではない点に注意が必要です。なお人気機種の為に需要があるのでしょうか、IE 40 PRO専用のマイク付きバランスケーブルなども発売されているようです。
付属品
付属品はこんな感じ。イヤチップはシリコン製SML3ペアと、フォームというスポンジ素材Mサイズがワンペアついてきます。最初はシリコン製Mサイズが本体に装着されていました。
左がシリコン製イヤチップで、右がフォーム。フォームも試してみましたが、シリコンより密閉度が増して遮音性が高くなる印象です。私はフォームだと耳に異物感を感じたのでシリコンの方が好みです。
クリーニングツールとしてこんな棒が入っています。しばらく使っているとわかりますが、IE 40 PROはイヤチップの口径が大きいのも手伝って、結構汚れるんですよね。
クリーニングツールを使うときは、こんな感じ。
おまけ的な要素ではありますが、ポーチの出来もよかったです。口の開閉がしやすい。口の両端から力を加えるとパカっと開きます。あと質感もいいんです。
左がfinal E3000に付属してきたポーチで、右がIE 40 PROのポーチ。E3000とは値段が倍以上違うのでクオリティが違ってくるのは当然なんですけどね。
音質
with iPhone 11 Pro
iPhoneの標準イヤホンと比べてみます。iPhoneのイヤホンは、そのままでも結構いい音だなって感じるんですが、いざ比べてみると、全く次元の違う音が出てきます。
iPhoneのイヤホンでも、ボーカルや楽器の音にちゃんと集中できるんですが、IE 40 PROのようにインイヤータイプではないので音が外に漏れてしまってスカスカな感じがします。一方、IE 40 PROは音が外に漏れないので、小さな音も逃げないし、耳の中に音楽空間を作ってくれる感じです。
iPhoneのイヤホンは、よくあるイヤホンの音というか、小さなドライバーで精一杯鳴らしてる背伸びをした感じがして、ボリュームを上げるとうるさく感じるんですが、IE 40 PROはボリュームを上げても音に余裕が感じられるので、ライブ会場のような雰囲気になります。まるでヘッドホンのような空間を感じます。
IE 40 PROはとても鳴らしやすいイヤホンのようで、Lightning to Headphone Jackでも十分に音量が稼げています。私には大体80%くらいのボリュームでちょうど良いくらい。これなら下手なポタアンは必要ないかな?というくらい、iPhoneでも気持ちよく聴けます。
非純正のLightning to Headphone Jack
iPhone7から消えてしまったヘッドホンジャックを復活するアクセサリー『Lightning to Headphone Jack』。私は非純正の中華製も一つ持っていますが、音に注目して比べてみると、やはり純正の方が音が良く感じます。
このアクセサリー、こんなに小さいのに、実はこの中にDACとアンプを搭載してる精密機械なんです。値段的にも「純正じゃなくても良いかな?」と思いがちですが、音にこだわるのなら純正をお勧めします。
with FiiO Q1 Mark II
人気のポタアンFiiO Q1 Mark IIで聴いてみます。私には3時くらいのボリューム位置でちょうど良い感じです。iPhone直結の時と比べると、音が硬質になり響きが硬くなる印象ですが、パワーはやや増すように感じます。音の密度が高くなったとも表現できると思います。iPhone直結の方が伸びやかで音が柔らかく聴きやすい気もします。私にとっては、わざわざ持ち歩くほどの変化ではないかな?というのが正直な所でした。
with Chord Mojo
Mojoで聴いてみます。雰囲気としては、iPhone直結に比べて、さらに繊細さとパワーと響きを上乗せした感じです。私はAPPLE製品のイヤホン出力は音楽性重視で調整されており、逆に中華製DACなどは数値的な性能追求をしている製品が多いと感じているのですが、MojoもAPPLE製品のように、数値的な性能というよりは音楽性を最重視して音質調整されていると感じています。ポタアンを外に持ち出すのは面倒ですが、Mojoにはその価値があるかな?と思わせてくれます。
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メンテナンスについて
一つメンテナンスの注意点。イヤチップを水洗いするときは、イヤチップの中にスポンジが入っているので注意しましょう。説明書にも上のようにイラストで描いてあります。
このスポンジです。同じようなスポンジが本体側にも装着されているので、合計2つのスポンジを経由して音を聴いていることになります。
まとめ
私はER-4Sという数万円のイヤホンも所有していますが、IE 40 PROはER-4Sに全く引けをとらない所か上回る点が多い。オススメのイヤホンを人に聞かれたら、とりあえずコレの名前を出してしまうレベルにコスパ抜群です。
オーディオ製品に限りませんが、メーカーの商品説明って、良い事しか書いてないからあんまり当てにならない。でもIE 40 PROはメーカーの説明に全く偽りを感じませんでした。かなり耳が肥えたユーザーでない限り、音質に不満を感じることはないのでは?と思います。
ゼンハイザーによるIE 40 PROの製品説明
IE 40 PROは、プロフェッショナルオーディオの世界で培われた技術をベースに作られた耳掛け型のインイヤー型イヤホンです。耳の後ろにケーブルをかけるスタイルかつコンパクトなデザインは、優れた装着感と安定したフィット感を兼ね備えています。またプロのステージのような厳しい環境にも耐えられるように堅牢な構造に設計されています。また高遮音性ながら、長時間のリスニングでも疲れを感じさせません。ダイナミックドライバーシステムと革新的なダイアフラムが、高い音圧レベルにおいても信号に歪みのない正確な再生を実現するため、あたたかみのある力強く精密なサウンドを提供します。
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