「毎日トクしている人の秘密」を読み終えた。
60年生まれの精神科医であられる名越康文先生の著書で、日々の小さな幸せを再発見しようみたいな本かなと思ったが、ずっと深かった。
苦しみや不安への上手な対処法や、直感や感覚についてなど、難しい言葉を使わずに、しかも濃い密度で書かれていた。
仏教的な考え方が多く、お医者さんの本というよりお坊さんの本みたい。
個人的に響いたポイント
この手の本は、読む時期によって引っかかる所が違うが、今回は3つ引っかかった。
ひとつは、仕事でも対人関係でもそうだが、
ある方法でうまくいったからといって、それを繰り返していくことは、実は不安を増大させている側面がある。という所。
一回守りに入ると、どんどん保守的になってしまうし、変化に不安を覚えるようになる。これは仕事を通じて実感しているから、引っかかったのだと思う。
俯瞰的になれるように
次は、「感覚を突き放して見る」という所。
例えば、痛い、寒いといった苦しみを、まるで他人が感じているように俯瞰する。
これはフランクルの「夜と霧」にも出てくる考え方で、やっぱり皆やってるんだと思い、引っかかった。寒い時などにトライすると、寒いという感覚が苦でもない気がしてくるような、そんな一瞬がある。
別れ際が肝
最後に、「別れ際の妙というのは、その人がもっている力量のようなものが一気に伝わってくる」という所。
別れ際って切り出すのが難しいけど、後から考えるとゾクッとするほど、最高の間合いで別れを切り出すというのは、よく話を理解していたということであり、その話の先も見えているという事だ。
バシッと決めれたらいいな。