中華アンプの高級機『SMSL SA-98E』レビュー

SMSL SA-98E

低価格が売りの中華アンプ市場のなか、比較的高価な部類に入るのがこのS.M.S.L社のSA-98E。中華アンプの代表モデル「Lepy LP-2024A+」の約3倍の値段がついている。

このSA-98Eの特徴は80W+80W=160Wという大出力で、大型スピーカーも楽に駆動できる。通常そこまでの大出力が必要になることはあまりないが、余裕をもったスペックは音にゆとりがでる。

果たして「Lepy LP-2024A+」が安いのか「SA-98E」が高いのか。3倍の価格差に価値が感じられるでしょうか。

 

パッケージ

SA-98Eのパッケージ

ほかの中華アンプに比べると豪華なパッケージ。でも中身はシンプルで、本体とACアダプターと説明書のみ。説明書は中国語と英語で書かれてますが、このアンプは特に特別な機能がないので、操作や接続で迷うことはないはずです。

ただ驚くのは、本体よりも巨大な36ボルト5アンペアのACアダプター。160Wという大出力に偽りはないのが分かります。

SA-98EのACアダプター

このACアダプター。先にコンセントに挿してから本体にプラグを差すと火花が散ります。パチッと光る程度ですが、気持ちの良いものではないので、コンセントを挿す前にプラグを挿しておいたほうが良さそうです。

 

外観

SA-98E外観1

出力160Wというのが信じられないくらいコンパクトな本体です。重みもあってガッシリしています。「ELEGIANT BluetoothアンプF900」も本体の質感が高いですが、あちらは家電、こちらはオーディオ機器のデザインという感じ。

電源スイッチ下のLEDはスタンバイで緑色、ONで赤色に点灯します。日本の家電は赤色スタンバイが多いので、ちょっと違和感を感じます。

フロントパネルは肉厚の削りだしアルミで安っぽさがないです。ボリュームは裏から4つの青色LEDで照らされていておしゃれ

SA-98E外観2

背面は最低限の端子が所狭しと並んでいます。サイズ的に仕方ないかもしれませんが、スピーカー端子はちょっと小さくて頼りない。

SA-98E背面

 

視聴

SA-98EとSPEKTOR1

視聴環境

Source

  • iPod touch 6th

SP

  • DALI SPEKTOR1
  • PMC TB2SM

SA-98Eは私が最初に購入したデジタル中華アンプで、購入直後に数時間のエージングが必要だったが既に完了済み。SA-98EのデジタルアンプICはSTマイクロエレクトロニクス社『TDA7498E』で、このICが私にとってデジタルアンプの一つの基準になってる。

その特徴を一言で表すなら「全域フラット」「クリア&ドライ」

「全域フラット」というのは、全ての音をくまなく増幅してくれるので、音のステージ全体を見渡せるし、定位やバランスのチェックに最適なモニターライクな音といえる。しかし逆にいえば、中域が引っ込んだ印象でもある。ボーカルが周りの音と同列になって引っ込んだ感じになるのは、少し寂しい。

「クリア」というのは、音の分離が良くてベールが取れたように感じるということ。よいアンプは静寂の中にその場の空気を感じるが、その表現にはクリアであることが前提条件だ。

SA-98EとiPod

「ドライ」というのは、一般的にデジタルアンプは解像度が高いと表現されることが多いが、解像度が高い=ドライな音になりがちだと思う。解像度が高い音は、一つ一つの楽器に集中しても、ちゃんと描写できている。その代わり、ザラついて艶がないように聞こえる。でも、よいアンプというのは、解像度と艶が両立する。

SA-98Eの残念な点は、ボリューム0でもホワイトノイズが入るところ。これは能率90dBのスピーカー「TB2SM」で聴くと結構分かるが、今回視聴に使った「SPEKTOR1」は能率83dBなので、TB2SMと比べるとホワイトノイズもそれほど気にならない。高出力のSA-98Eは能率が低いブックシェルフにも向いてそうだ。

 

中華アンプ音質一覧

モデル音質
Lepy LP-2024A 商品イメージ

『Lepy LP-2024A+』レビュー

全域フラットだからか中域に厚みが足りず迫力に欠ける感じがする。加えて音の広がりもSA-98Eと比べると狭い。逆に言えば、中域〜高域に意識を集中しやすいかも。
ELEGIANT Bluetoothアンプ 商品イメージ

『ELEGIANT Bluetoothアンプ』レビュー

柔らかくて聴きやすい音。迫力という意味では他のデジタルアンプに負けるかもしれないが、とても自然な音に感じる。音場も広く包まれる感じがある。長時間聴くならこの音を聴いていたい。バランスのとれた音。
TUBE-01J 商品イメージ

『NFJ TUBE-01J』レビュー

真空管プリアンプなので、他のアンプと組み合わせて使う。音はかなり変化して、音にツヤが出て響きが美しくなる。『感情に訴える成分』が増すような感じ。オーディオの奥深さが垣間見える。

TUBE-02J 商品イメージ

『NFJ TUBE-02J』レビュー

真空管ヘッドホンアンプ。TUBE-01Jのヘッドホン対応版とも言える。TUBE-01Jで真空管に目覚めたので02Jも購入しました。音の傾向はTUBE-01Jと同じ。プリアンプとして使っています。

FX202A 商品イメージ

『NFJ FX202A/FX-36A PRO』レビュー

基本的にLP-2024A+と似た音だが、プラスして音に厚みと密度が加わり、アナログっぽさが増して聴きやすい。SA-98Eほどの力強さはないので、SA-98Eの弟分といった感じ。NFJの真空管プリアンプと合わせたい。

SMSL SA-98E 商品イメージ

『SMSL SA-98E』レビュー

この中では一番高価なだけあって音質もよい。音に密度と厚みがある。低域もよく出るので場の量感も感じる。これなら数万のアナログアンプと互角の音質と言ってもよさそう。トーンコントロールほか余計な機能は一切ないが、アンプ自体の質感は高い。
Lepy LP-V3S 商品イメージ

『Lepy LP-V3S』レビュー

LP-V3Sだけアナログアンプ。中域を全面に押し出してくるので、空間表現や細かい音を楽しむというより、ボーカルのようなメイン所をしっかり聴くのに最適な味付けという感じ。

 

さらに高音質に

SA-98EとMojoとSPEKTOR1

視聴環境

Source

  • Audirvana Plus + Chord Mojo [384kHzにアップサンプリング]
    Audirvanaの設定

SP

  • DALI SPEKTOR1

iPodやiPhone/Macの音と、Mojoなどの外付けDACを聴き比べるといつも思うのが、iPodやiPhoneを聴いてる時は「もうこれで全然OK、いい音」だと思う。低域もよく出てるし、ボーカルも綺麗だ。特に不満も感じない。だが聴き比べると、明らかに違うのだ。これを毎回感じる。

Apple製品のDACは、おそらく性能を150%くらいひねり出すチューニングがされていると思う。一聴して「いい音だなぁ」と感じる。全域がちゃんと出てるし、包み込まれるような音の広がりがある。

SA-98EとMojo

だが聴き比べると、そこに密度がないのが分かる。まるで限られた情報を上手に膨らませたような音だ。Mojoに384kHzにアップサンプリングした音を入れるとDSD音源のような滑らかな音になるが、これと比較してしまうと、iPodの音はザラついて感じるようになってしまう。

Mojoのような外付けDACがあると、中華アンプを一段と楽しめるかもしれない。

 

今後の楽しみ

SA-98Eの中身

中央部にニチコンの電源平滑用コンデンサ、4つのノイズフィルターコイル、ヒートシンクの裏にはTDA7498Eとオペアンプがあるようです。Lepy製品のようにコンデンサやオペアンプを交換している人は少ないみたいですが、出来そうですね。

 

まとめ

中華アンプにしては高価なSA-98E。まとめてみると、
  • 質感が高く、作りもしっかりしている。
  • 160Wの大出力。
  • モニターライクな音。
  • 能率の高いスピーカーだとホワイトノイズが気になるかも。

SA-98Eはデスクに置いてもおしゃれだし、デジタルアンプの特徴がよく出ているアンプなので、比較・モニター用としても活躍してくれそうです。

SMSL SA-98E 商品イメージ

SMSL SA-98E 2 * 160W TDA7498アンプステレオデジタルアンプ+電源アダプタ、トップHIFI (ブラック Black)