中華アンプを調べていると、すぐに目に入ってくるのがNFJという日本メーカー。
NFJの『FX-AUDIO-』というブランドは、「日本人による基板設計」と「MADE IN CHINA」が融合しており、中華アンプと同じ価格帯にもかかわらず、より高音質が期待できます。
というわけで、日本人が中華アンプを選ぶなら避けては通れない『FX-AUDIO-』。今回はその中から、4,000円前後で買えるデジタルアンプ『FX202A/FX-36A PRO』をレビューします。
パッケージ
パッケージと内容物はシンプルそのもの。NFJ製品はACアダプターが別売りなので、中身は本体と説明書ペラ1枚のみ。
でもこれ、価格が安くなるならウェルカムな仕様です。最近の大手メーカーは梱包や説明書が立派すぎて、やや過剰にも思えるし、ACアダプター別売りにも好感が持てます。低価格オーディオを楽しんでいるユーザーの多くは、すでに同じような仕様のACアダプターを持っているはずだもん。
取扱説明書にもありますが、ACアダプターの仕様にはくれぐれも注意すること!一発で壊れる可能性もあるからね。。。
ちなみに外箱はいろんなモデルで共通みたい。効率化が行き届いております。
外観
NFJ製品の多くはシルバーとブラックから色を選ぶことができます。私はブラックで統一しています。 外観のクオリティは他社の中華アンプと比べても遜色なく、値段的に倍以上の『SMSL SA-98E』にも引けを取りません。
ちなみに『SA-98E』はこんなの。
『SA-98E』はボリューム背面の青色LEDが4つなのに対して、
このように本機は2つなのでやや暗め。過度に主張してません。
電源はトグルスイッチです。これは好みだとは思いますが、無骨な赤色LEDと相まって、個人的には好き。
視聴
視聴環境
Source
- iPod touch 6th
SP
- DALI SPEKTOR1
- PMC TB2SM
中華アンプレビュー5台目になる本機。他モデル『LP-2024A+』『SMSL SA-98E』『ELEGIANT F900』とじっくり比べてみた。
基本的には『LP-2024A+』と近い印象。プラスアルファして『SA-98E』のような音の厚みと中域が出てくるように感じる。『LP-2024A+』は解像度が高くデジタルっぽいが、本機はギラギラせずアナログライクで聴きやすい。
本機はSTマイクロエレクトロニクス社『TDA7492PE』搭載とのことで、『SA-98E』の『TDA7498E』と同系列。聴いた感じも似た味付けだと思うが、聴き比べれば『SA-98E』に圧倒的パワーを感じる。その意味では、そこに確かな価格差を感じるし、『SA-98E』の36ボルトは伊達じゃない。
『F900』と比べると、音の伸びや響きは『F900』に分がある気もするが、本機の方が音にパワーがあって前にでてくるので、そこは好みとも言える。
『F900』や『SA-98E』では気になったホワイトノイズも、本機にはないようだ。
中華アンプ音質一覧
モデル | 音質 |
---|---|
『Lepy LP-2024A+』レビュー全域フラットだからか中域に厚みが足りず迫力に欠ける感じがする。加えて音の広がりもSA-98Eと比べると狭い。逆に言えば、中域〜高域に意識を集中しやすいかも。 | |
『ELEGIANT Bluetoothアンプ』レビュー柔らかくて聴きやすい音。迫力という意味では他のデジタルアンプに負けるかもしれないが、とても自然な音に感じる。音場も広く包まれる感じがある。長時間聴くならこの音を聴いていたい。バランスのとれた音。 | |
『NFJ TUBE-01J』レビュー真空管プリアンプなので、他のアンプと組み合わせて使う。音はかなり変化して、音にツヤが出て響きが美しくなる。『感情に訴える成分』が増すような感じ。オーディオの奥深さが垣間見える。 | |
『NFJ TUBE-02J』レビュー真空管ヘッドホンアンプ。TUBE-01Jのヘッドホン対応版とも言える。TUBE-01Jで真空管に目覚めたので02Jも購入しました。音の傾向はTUBE-01Jと同じ。プリアンプとして使っています。 | |
『NFJ FX202A/FX-36A PRO』レビュー基本的にLP-2024A+と似た音だが、プラスして音に厚みと密度が加わり、アナログっぽさが増して聴きやすい。SA-98Eほどの力強さはないので、SA-98Eの弟分といった感じ。NFJの真空管プリアンプと合わせたい。 | |
『SMSL SA-98E』レビューこの中では一番高価なだけあって音質もよい。音に密度と厚みがある。低域もよく出るので場の量感も感じる。これなら数万のアナログアンプと互角の音質と言ってもよさそう。トーンコントロールほか余計な機能は一切ないが、アンプ自体の質感は高い。 | |
『Lepy LP-V3S』レビューLP-V3Sだけアナログアンプ。中域を全面に押し出してくるので、空間表現や細かい音を楽しむというより、ボーカルのようなメイン所をしっかり聴くのに最適な味付けという感じ。 |
基板をチェック
中をチェックしてみると、白色基板とシンメトリー設計が美しい。ほとんどの部品が基板内蔵されているので改造は難しそう。ネットでも改造している人は少ないみたいです。
本機のコアであるD級アンプICがこれ。
性能とは関係ないけど、バージョン表記が格好よかった。
DIPスイッチ
本機の裏面にはゲイン設定用のDIPスイッチがあります。
初期設定(20.8dB)では全てのスイッチがOFF状態で、最大ゲインに設定したい場合は(32.8dB)のスイッチのみをON側にスライドさせ、他のスイッチは全てOFFにします。
通常使用では触ることはなさそうですが、配慮が行き届いた設計ですね。
真空管プリアンプとの組み合わせ
このアンプのお勧めポイントとして見逃せないのは、NFJの真空管プリアンプシリーズと統一感あるタッグが組める点だと思う。
デジタルアンプは真空管プリアンプと組み合わせれば戦闘力が一気に跳ね上がる。NFJ製品で統一したら、デザイン的にもテンション上がります。
まとめ
『FX202A/FX-36A PRO』のおすすめのポイントとしては、
- アナログライクで聴きやすい優等生アンプ
- 値段以上の質感
- NFJの真空管プリアンプともマッチするデザイン
値段を考えて、他のモデルと比べても、特に弱点が見つからないアンプです。
もっとパワーを求めるなら『SMSL SA-98E』もありですが、あっちの値段は倍以上するので、コスパは本機の方が上だと思う。
今後、NFJの真空管プリアンプも視野にいれるのなら、見た目的にもオススメです。
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